幼稚園保育園向けの月刊絵本や保育士向け雑誌の編集に携わってきた関係で、いろいろな絵本に接する機会が多いので、私が今まで出会ったおすすめ絵本を、つれづれにご紹介したいと思います。
今回は「おふろだいすき」(松岡亨子・作 林明子・絵)です。
子供達が小さい頃、何度も読み聞かせをせがまれたトップ10に入っていると思います。
主人公の男の子がお風呂に入っていると、湯船の中からいろいろな動物が現れる、というお話です。
1ページ1ページが幼児にとっては少し長い文章ですので、読み終わるまで待てなくて、子供がめくってしまうこともあるかもしれません。
また、主人公の子は1人で入浴していますので、実際の生活ではあまりないシチュエーションかもしれません。
でも、そんなことは全く気にならない、ストーリーと絵の力があります。
動物と一緒にお風呂に入る、という設定だけでも子供の心をつかむことと思いますが、特にこの絵本の好きな点が2つあります。
まず、動物たちが擬人化されておらず、とてもリアルなフォルムだということ。アヒルからクジラまで出てきますが、できるだけ現実に近いサイズに描かれていて、だから浴室が体育館のようになったり、プールのようになったり……不思議な空間世界に連れて行ってくれます。
そして、主人公と動物たちが馴れ合いでなく、少し距離があり、言葉も丁寧なところがいいのです。なかには、怒っているのかな?と思えるような無愛想な動物もいて、主人公の子におかまいなく勝手に行動していたりして、予定調和でない雰囲気にすこしドキドキするのです。
有名な本なのでご存知の方も多いと思いますが、よかったら読んでみてください。
ちなみに我が家にはもう1冊、「湯船から何かが出てくる絵本」があります。「おふろ」(出久根 育・作絵)です。
表紙を見ただけでわかると思いますが、こちらはもっとドキドキします。子供達が「こわい!」と言いながらも読んでいた、印象に残る絵本です。こわい絵本っていいですよね。
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