20年前の本にチャイルドサロン?!

「生きにくさの抜け道〜子どもと大人の黙示録〜」毛利子来 著(岩波書店)

 少し古い本を読んでいます。

 背に貸し出し図書の分類番号シールが貼ってあるので、どこかの図書室で古い本を放出したときに、もらって帰ってきたものだと思います。もう覚えてないんですけど…。

 2017年に88歳で亡くなられた小児科医の毛利子来(もうりたねき)先生の著書です。親子の悩みに寄り添い、子育てに関する本をたくさん書かれ、雑誌「ちいさい・おおきい・よわい・つよい」の編集責任者でもありました。生前にぜひお会いしたい方でした。

 この本は1999年の発行で、子育ての大変さや、子どもたちの生きにくさを言葉にし、それに対するアドバイスがたくさん書かれています。まったくもって子育ての閉塞感は20年前とほとんど変わっていないんだなーとつくづく思いました。ちょっとため息…。

 でも、この本の中に以下のようなくだりがあり、「おおっ!」と思いました。

 実は、ぼく、ずっと前だけど「地域保育」っていうのを試みたことがあるんです。公園で別々に子どもを遊ばせていた母親がグループをつくって、たとえば五人の子どもを三人の親がみて、その間に二人のお母さんは自由にすごす。
 それをやり始めたら、すごく喜ばれちゃって。それで、もっといろんな人に世話してもらったほうがいいんじゃないかって、思いきってこの町全体で交代で遊ばせることにした。
(中略)
 だから、「子育て支援」も、もっと地域性をもたしたほうがいい。たとえば、子育てが一段落した地域のおばちゃんの力を借りたり〜

 チャイルドサロンのことかと思いました(笑)
 実はチャイルドサロンが生まれたのも1999年だったのです。毛利先生に伝えたかったなあ。

 毛利先生の語り口が「なんでも話せるおじいちゃん先生」みたいで、とても読みやすいので、古い本ですが図書館で見つけたらぜひ読んでみてください。

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